Wikipediaより

スペインではギターと日常生活は同一線上にあった…

 この写真のギタリストは、クラシックギターの父と呼ばれる フランシスコ・タレガ(スペイン 1852~1909)です。「アルハンブラ宮殿の思い出」や「アラビア風奇想曲」など、美しいギター曲をたくさん残しました。

 すっと伸びた彼の指先をご覧ください。握力を入れているというよりは、肩から指先へと順番に脱力したような体の動きが見てとれます。私はこの写真を見て、ギターは力で弾く楽器ではないことを確信しました。今日、我々はインターネットで多くのギタリストの演奏動画を見ることができますが、タレガのような姿勢で演奏するギタリストはほとんどいない状況です。

 筋力を使わない弾き方は本当にあるのでしょうか?私はタレガの演奏法とギターの上達には関連性があると思い、長年研究してきました。そこでわかったのは、タレガの姿勢にはちゃんとした意味があることギターが上達しない主な原因は「姿勢」にあるということです。

 実は私も猫背でした。若いころは母親やまわりの友人から姿勢のことをよく注意されました。姿勢改善のために本格的なジムに通ったこともあります。しかし今、私が実感して言えることは、筋トレの反復トレーニングでは良い姿勢は身につかないということです。正しい姿勢を得るのに苦しいトレーニングは本来必要ありません。体のいくつかの要所を動かし、楽に立てた時のバランス感覚を覚えるだけなのです。姿勢が悪くなるというのは、言い換えれば、「使えない体の部位が増えている」という状況です。肝心なのは、体の使えていない場所を認識し、そこを動かすことの積み重ねなのです。すると、自然にタレガのような姿勢をとり、力まずにギターを弾けるようになるというわけです。

「全ては良い音を出すために!」好奇心をいかに育てるか

 教室では誰でも知っている簡単な曲を練習しながらギターに親しんでもらいます。課題曲を習得するにつれ、姿勢が良くなる演奏型を学んでいきます。上達はすぐに「音」になってあらわれます。ギターの上達に最も必要なのは「良い音を出したい!」という気持ち、好奇心だけです。「今まで聴いたこともないような良い音を出したい!」という好奇心が意識を変え、姿勢を変えていきます。ギター上達には3つの要素が必要です。「整体」(実行できる体)、「テクニック」(正しい段取り)、「音感」(聴く力と記憶力)の3つです。これらの要素が機能する時、必ず音色に変化が出ます。音は嘘をつきません。ギターの音をよく聴き、上記3つの要素が向上するように練習を計画することが上達の早道です。

20C初頭グラナダのロマの若者たち。この姿勢・体幹がフラメンコの伝統を作った。

ギターが人生を豊かにしてくれる

 芸術はきりのない世界です。よく「私は才能がない」とおっしゃる生徒さんがいますが、私は「ギターの音が好きな方は才能がある人」だと思っています。タレガはスポーツマンではありませんでしたが、美しい姿勢を手に入れました。好きこそものの上手なれ、好きこそ才能の源なのです。

 昨日よりも今日の自分に成長を感じることができれば、人生はどれだけ豊かになるでしょうか?ギターは身近で楽しい楽器ですが、挫折する人も多い楽器です。この素晴らしい楽器を練習しながら、「自身の成長を何十年にもわたって感じることができる」ということを多くの方に享受して頂きたいです。そしてこれは同時に私の教室の目標となっています。

 ありがたいことに、近年は私が提唱するスペインの伝統奏法と武道の身体操作に共通性が認められ、武道系専門誌「月刊秘伝」にも紹介させて頂きました。スペインギターの伝統には武道と比肩できるくらい身体への深い洞察があり、また洗練された動作があるということが証明されたのではないでしょうか。

 スペインの伝統奏法に興味を持って頂けたら、ぜひ体験レッスンにいらしてください。手が硬くても、音楽経験がなくても、ギターの音が好きなら資格者です。私と一緒にギターを楽しみませんか?

YouTubeライブ配信 スペインギターエクササイズ

 事情があって教室に通えないギターファンのために、タレガのように脱力してギターを演奏するためのエクササイズ(体操)を考案しました。このエクササイズはギターの基本紹介と合わせて、毎週末の朝に「スペインギターエクササイズ」としてYouTubeでライブ配信をしています。ご興味がある方はぜひ私のYouTubeチャンネルを登録してみてください。

スペインギターエクササイズ 毎週末生配信中!


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